辨 |
オランダイチゴ属 Fragaria(草苺 căoméi 屬)には、世界に13-15種がある。
オランダイチゴ(イチゴ) F. ananassa(F.×magna, F. chiloensis var. ananassa;
草苺)
F. chiloensis(智利草苺) 中南米原産、1714年チリからフランスに入る
『週刊朝日百科 植物の世界』5-167
シマシロヘビイチゴ F. hayatae(F.nilgerrensis subsp.hayatae)
ノウゴウイチゴ F. iinumae(Potentilla daisenensis;飯沼草苺)
北海道・本州・樺太産 名は岐阜県能郷村で採取された事から。
F. moschata 花に芳香がある
F. moupiensis(西南草苺) 『中国本草図録』Ⅷ/3631
F. nilgerrensis(白藨・白草苺・白泡兒・白蒲草)
『中国本草図録』Ⅴ/2137・『週刊朝日百科 植物の世界』5-167
シロバナノヘビイチゴ(モリイチゴ) F. nipponica
ベニバナノヘビイチゴ f. rosea
キミノモリイチゴ f. xanthocaphala
タカイチゴ F. orientalis(東方草苺) 『中国本草図録』Ⅳ/1665
ミヤマクサイチゴ var. concolor(F.mandshurica;吉林草苺)
エゾヘビイチゴ F. vesca(野草苺;E.Alpine strawberry)
シロミノベスカイチゴ f. alba
エゾノクサイチゴ F. yezoensis(F.nipponica var.yezoensis)
|
ヘビイチゴ・ヤブヘビイチゴは、別属。
また、木苺の仲間については、キイチゴ属を見よ。 |
バラ科 Rosaceae(薔薇 qiángwēi 科)については、バラ科を見よ。 |
訓 |
和名イチゴは、江戸時代まではキイチゴ(木苺)をさしていた。
源順『倭名類聚抄』(ca.934)覆盆子に、「和名以知古」と。
『大和本草』苺(イチゴ)に、「種類多シ、艸苺、黃苺、カラ苺、唐(タウ)苺、冬苺、アシクダシ、蛇苺ナト、猶モ多シ」と。 |
漢名の苺(バイ,méi)は、ナガバモミジイチゴなどの木苺類を指す。
なお、莓(バイ,méi)は俗字。 |
オランダイチゴのオランダは、「外來ナルヲ意味セリ」(『牧野日本植物図鑑』)。 |
説 |
北アメリカ原産の野生イチゴ F. virginiana と 南アメリカ原産の野生イチゴ
F. chiloensis との交雑種から、18世紀中ごろオランダでアナナッサが作出され、これが現在の栽培イチゴ F. × magna
の基。
日本には天保10年(1840)オランダから伝えられたが普及せず、明治時代にあらためて導入された。 |
誌 |
江戸時代以前のいちごについては、キイチゴを見よ。 |